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スタイリッシュな建物が実現する『片流れ屋根』!実は屋根形状特有のデメリットがあるって知っていますか?

皆さんは、戸建て住宅を建築するときには、何を重視するでしょうか?「夢のマイホーム」などと言う言葉があるように、せっかく家を建てるのであれば、細部までこだわって自分の理想の家を作りたいと考えるのは誰もが思うことだと思います。
特に最近屋根の専門業者として思うこととして、新築住宅で『片流れ屋根』が選ばれることが増えているのだな…ということです。一般の人はあまり意識することはないかもしれませんが、住宅の屋根にはさまざまな形状が存在しており、選択する屋根形状によって建物の外観イメージが大きく変わってしまうものです。もともと日本国内では『切妻屋根』と呼ばれる屋根形状が多かったのですが、金属屋根やスレート屋根が主流となってきた現在では、スタイリッシュな外観デザインを実現できる片流れ屋根や陸屋根と呼ばれるタイプの屋根形状が増加しています。
それでは、こういった住宅の屋根形状に関しては、何を選択しても構わないものなのでしょうか?実は、あまり知られていないことなのですが、屋根の形状はそれぞれの形状によってメリットとデメリットが存在しており、そこを抑えて屋根形状を選択しなければ、将来的にメンテナンス費用がかかり過ぎてしまう…なんてことになりかねないのです。
前述した『片流れ屋根』は、独特な外観デザインが実現できることや、太陽光発電の設置に適していることから、非常に人気になっていますが、実は非常に大きなデメリットを持っているのです。そこで今回は、『片流れ屋根』の建物を建てる時に知っておきたい注意点をご紹介します!

そもそも『片流れ屋根』ってどんな形?


それではまず、近年人気と言われている『片流れ屋根』がどのような形状をしているのかを簡単にご紹介しておきましょう。一般の人からすれば、屋根の形状なんてなんでも一緒で『片流れ屋根』と聞いても、どんな形をしているのかなど、さっぱり分からない…と考えている人も多いかもしれません。
『片流れ屋根』とは、上の画像を見ていただければわかりやすいのですが、屋根が一方向に向かって下がっていく形状をした、一枚板で出来た屋根形状のことをいいます。屋根の形状としては非常にシンプルなものに分類され、モダンでスタイリッシュな住宅デザインが実現することや、屋根を南側に向けて傾斜させることで、太陽光発電設備を最大限活用できるという点で、近年非常に人気の屋根形状となっているのです。実際に、現在新築住宅の打ち合わせをしている方などの中には、この片流れ屋根をオススメされているという方も多いのではないでしょうか?
しかし、片流れ屋根には、いくつかのデメリットが存在していますので、導入を検討している方は、以下に紹介するポイントを頭に入れておきましょう。

『片流れ屋根』の注意点と対策について

それでは、片流れ屋根が持っていると言われているデメリット面についてご紹介していきましょう。太陽光発電を導入するご家庭が増加するとともに、片流れ屋根の住宅が増加しています。しかし、この片流れ屋根にはいくつかの注意点が存在しますので、ここでは対策と一緒にご紹介しておきます。

雨漏りリスクが高い屋根形状

片流れ屋根の最大のデメリットと言われているのは、雨漏りリスクが高い屋根形状だということです。実際に、ある瑕疵保険会社が公表した調査結果では、新築での雨漏り事故に関して、なんとその75%が片流れ屋根の住宅だった…というデータもあるほどなのです。
片流れ屋根において、雨漏りリスクが高くなってしまうのは、破風板と野地板の境目から雨水が侵入してしまい、野地板の裏面を伝い水となって建物の奥まで侵入してしまう可能性があり、他の屋根形状と比較すると、建物内に雨水が侵入してしまう危険が高くなるのです。また、一枚板で構成される片流れ屋根は、同じ大きさの屋根であればケラバ部分が2倍の長さになってしまいます。つまり、長さが2倍になる分、軒先に流れる雨水も2倍になるということであり、野地合板の腐朽・劣化リスクが高くなってしまい、雨漏りの可能性も上がるのです。
それでは片流れ屋根での雨漏りリスクは、どういった対処をしておけば良いのでしょうか?以下でご紹介しておきます。

  • ●透湿ルーフィングを棟に巻くなど、伝い水を止める
    片流れ屋根の棟端部の伝い水については、棟に透湿ルーフィングを巻くことで対処できます。透湿ルーフィングは、湿気を排出する機能もありますので、施工業者にこういった細部の雨仕舞を依頼しましょう。
  • ●ケラバ部分には、シール材付きケラバ水切りを利用する。

屋根面の日当たり不足に注意

屋根の日当たり不足など気にする方などあまりいないかもしれませんが、実は建物を長持ちさせたいと考えるのであれば意外と重要です。
上述しているように、片流れ屋根は近年人気の屋根形状なのですが、都市部の狭小地に建設する住宅の場合、高さ制限の面から北面屋根となるように設計されることがあるのです。しかし、北面の片流れ屋根となってしまうと、冬場は太陽高度の関係上1日中屋根面が日陰になってしまうことがあるのです。このような状況になってしまうと、野地合板は日射による温度上昇が無いのに、壁や小屋裏は日射によって温度が上昇してしまい、壁などの木材から放出された湿気が北面野地合板に吸収され、野地合板は高湿化してしまう結果になるのです。
このような湿気の流れは、太陽高度が低い冬の間繰り返されてしまうため、野地合板の含水率が常に高くなってしまい、野地合板の劣化を速めてしまうリスクがあるのです。

このようなリスクに備えるためには、透湿ルーフィングと野地面通気材を使用するのがオススメです。なお、通常こういった心配のない南面片流れ屋根の場合でも、屋根全面に太陽光パネルを設置する場合、屋根面が常に日陰となってしまうため、野地板の湿気による劣化リスクが存在します。後付けで太陽光パネルを設置する場合には注意しましょう。

換気不足に注意

屋根の劣化を防ぐ目的として、小屋裏を換気する対策はどの屋根でも行われます。小屋裏換気は、「風力による風力換気」と「温度差による温度差換気」という手法があるのですが、どちらにしても片流れ屋根の場合、効果が軽減されてしまうのです。
したがって、小屋裏換気が適切に行えないことから、小屋裏が高湿化してしまい、野地板の劣化や腐食を招いてしまうなど、屋根の劣化を速めてしまうリスクがあるのです。片流れ屋根の換気不足に関しては、以下のような対策が有効です。

  • ●換気棟の設置数を増やす
  • ●軒天換気を全周に設置する
  • ●妻換気を設置する

片流れ屋根では、上記のようにしっかりと小屋裏換気ができるような対策が必要になります。したがって、片流れ屋根の建物を選択するときには、施工会社に「小屋裏換気を多くしてください」と依頼しましょう

まとめ

今回は、近年人気の屋根形状となっている『片流れ屋根』について、片流れ屋根を導入する場合の注意点や対策についてご紹介しました。この記事でご紹介したように、片流れ屋根というのは、太陽光発電設備を最大限活用できることや、スタイリッシュな外観デザインを実現できるなどがメリットとして捉えられており、選ばれることが増加していると言われています。
しかし、片流れ屋根にはいくつかの明確なデメリットが存在してしまうので、「デザインが良いから」という理由だけで導入するのはあまりオススメできません。もちろん、導入するのがダメだと言っているわけではなく、片流れ屋根の建物を建てる場合には、そのデメリットを理解してきちんと対策を行ってくださいという意味です。現在、片流れ屋根の建物を計画中の方がいれば、この記事でご紹介した内容のことを施工業者さんに質問してきちんと対策を取ってくれるように依頼しましょう。

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