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スレート屋根の雨漏り原因とは?代表的な原因と対処法をご紹介します!

新築業界で、金属屋根と並んで非常に高いシェアを誇っている屋根材がスレート屋根です。スレート屋根は、瓦など、日本特有の屋根材と比較した場合、非常に軽量であること、施工性が高いため新築時の屋根にかかるコストや、将来的なランニングコストが他の屋根材よりも安くつくなどと言ったメリットから、現在でも非常に高い人気を誇っています。実際に、この記事を読んでいる方の中にも、現在住んでいる自宅の屋根にスレート屋根が採用されているという方は非常に多いと思います。

そこでこの記事では、スレート屋根に住んでいる方が押さえておきたい、この屋根材特有の雨漏り原因や、実際に雨漏りが発生した時の対処法をご紹介していきたいともいます。現在、雨漏りなどが発生していないという方でも、雨漏りはいつ発生するのか誰にも分かりませんので、以下の内容は覚えておきましょう。

スレート屋根とは?

それではまず、新築業界で高いシェア率を誇っているスレート屋根の特徴を簡単にご紹介します。スレート屋根は、粘板岩を薄い板状にした屋根材となります。なお、スレート屋根は、他にもコロニアル屋根やカラーベストなどという名称で呼ばれることがありますが、これは全て同じ屋根材を指しています。

スレート屋根は、大きく分類すると、化粧スレートと天然スレートの二つに分けることができます。それぞれの屋根材としての特徴は、以下のような感じです。

  • 化粧スレートとは
    化粧スレートは、セメントと繊維を素材として成形された屋根材です。非常に軽量で扱いやすいことが特徴で、近年、新築業界で高いシェアを誇っているのはこのタイプのスレート材です。注意が必要なのは、スレート材は、表面に施される塗装によって防水などの各種機能を得ています。したがって、塗料の耐用年数に合わせて、定期的な再塗装メンテナンスが必須となります。
  • 天然スレートとは
    天然スレートは、文字通り、天然の鉱石を加工した屋根材で、主にヨーロッパなどの大型建築で採用されています。化粧スレートとは異なり、非常に貴重で高価な屋根材ですので、日本国内の一般住宅で採用されるケースはほとんどありません。

日本国内でスレート屋根と表現される場合には、基本的に化粧スレートのことと考えて間違いありません。現在では、金属屋根素材が新築業界でトップシェアを誇っているのですが、1990年代ではスレート屋根が圧倒的なトップシェアを誇っていました。ただし、この時代に建設され、屋根の葺き替えなどを行っていない住宅は、少し注意が必要です。というのも、過去に製造されていたスレート材には、有害物質であるアスベストが含有されており、アスベスト含有のスレート屋根の場合、屋根メンテナンスなどを行う際も、専門的な知識が必要とされます。
2006年以降は、アスベストが法律で規制されたことから、スレート材にも含有されなくなっていますので安心してください。ただ、ノンアスベストに切り替えられたばかりのスレート材については、強度が劣るものがあるとわかっており、雨漏り事例などが多く報告されています。(現在のスレート材はこのような心配はありません。)

スレート屋根の雨漏り原因について

それでは、スレート屋根の雨漏り原因について考えていきましょう。住宅で発生する雨漏りについては、台風や地震などの自然災害により突発的に発生する物から、徐々に劣化が進行し、ある日雨漏りとして表面化するものに分かれます。

基本的には、屋根というものは、表面の屋根材のみで雨水を防いでいるのではなく、屋根材の下に設置される防水シートや野地板も住宅内への水の侵入を防ぐようにできています。つまり、室内側で雨漏りを発見した…という場合には、表面の屋根材だけでなく、防水シートや野地板まで傷んでいると考えましょう。
ここでは、雨漏りを早期に発見できるようにするため、スレート屋根で考えられる雨漏り原因をご紹介します。

①スレート材の割れ、浮き

スレート屋根は、上述したように、表面に施される塗装によって防水などの各種機能を得ています。当然、表面の塗装にも寿命というものがあり、経年劣化により徐々に水を弾く力が弱くなっていきます。そして、そのような状態を放置してしまうと、スレート材そのものが水を含むようになり、膨張と乾燥を繰り返すようになるのです。それを繰り返すことで、屋根材そのものが弱くなり、ひび割れや浮きが生じてしまうようになるのです。
この他にも、屋根上の設備メンテナンス(太陽光発電、アンテナ工事など)などで、屋根に上った際、弱くなった屋根材を踏んで割れてしまうなどというケースもあります。こういった割れは、雨水の侵入口になってしまいます。

②釘のサビ

スレート屋根は、スレート材を釘を使って固定する作りになっています。釘は、スレートの下に設置されている下地材まで貫通していますので、経年劣化などにより釘穴が広がってしまうと、雨水が釘を伝って住宅内に侵入してしまうことがあるのです。

なお、スレートを固定する釘については、通常は他のスレート材が被せられるので、直接雨水が当たることはありません。しかし、何らかの不具合で釘が剥き出しになってしまうと、釘にサビが発生し、釘穴が拡大して雨漏りに繋がることがあるので注意しましょう。

③棟板金の不具合

スレート屋根や金属屋根には、屋根の頂上部分に棟板金と呼ばれる雨仕舞用の金具が設置されています。屋根の頂上は、風雨の影響を最も受ける場所ですので、この部分が破損してしまい、雨漏りになるなんてケースも多いです。
例えば、台風などの強風にあおられてしまい、棟板金を固定する釘が緩み隙間が生じてしまう、棟板金が飛ばされてしまう…なんてことになると、そこから雨水が入り込んでしまうことになります。棟板金の不具合は、台風による屋根被害の代表ですので、台風シーズンの前に固定が緩んでいないかチェックしておきましょう。

④谷板金の不具合

これはスレート屋根に限らず、どのような屋根でも雨漏り原因ナンバーワンと言われています。屋根の面と面が接続する部分で、谷間になっている場所を屋根の『谷部』と呼びます。この屋根の谷は、屋根に落ちた雨水を集水し、雨樋に排水するという役割りを持っており、屋根の中でも最も傷みやすい部分と言われています。
近年では、谷板金として、非常にサビに強いガルバリウム鋼板が採用されているのですが、それでも絶対にサビないわけではありません。例えば、飛来物がぶつかり小さな傷が入ればそこからサビが発生してしまうことも珍しくありません。谷部分は、雨水の影響を受ける機会が多いので、金属がサビやすく雨漏りに発展しやすいと考えましょう。

⑤施工不良

残念ながら、業者の施工不良が原因となる雨漏りも珍しくありません。特に、スレート屋根は、施工性の高さが売りの屋根材ですので、屋根に関してしっかりとした知識を持っていない業者が工事の請負を行っている場合も少なくないのです。そういった業者に施工を依頼してしまうと、必要な板金を省略してしまったり、屋根の勾配を何も考えずに施工したり、見た目には問題が無いように見えても、雨漏り原因だらけの屋根を作ってしまうケースがあるのです。

なお、屋根リフォームでも、スレート屋根の塗装工事には注意しましょう。スレート屋根は、屋根材と屋根材のつなぎ目は、屋根内に侵入した雨水を逃がすため、ワザと隙間が設けられています。これを閉じてしまうと、屋根内に水が長くとどまることになり、湿気などを原因として屋根下地の早期劣化を招く恐れがあるのです。知識のない業者がスレート屋根の塗装工事を請け負った時には、塗料によってこの隙間を完全に埋めてしまい、雨漏りに発展するというケースが意外に多いです。スレート屋根の再塗装を依頼する場合、見積書の中に「縁切り」という項目があるか確認しておきましょう。

スレート屋根の雨漏り修理について

それでは次に、実際にスレート屋根で雨漏りが発生した場合の対処法について考えていきましょう。スレート屋根に限りませんが、屋根から発生した雨漏りについては、部分的な修理で対処できる場合もあれば、屋根を全面的に修理しなければならない場合もあります。

ここでは、スレート屋根で採用できる雨漏り修理の手段について解説します。

①部分的な修理について

まずは、スレート屋根で発生した雨漏りについて部分的な修理で解決できる場合についてです。例えば、以下のような場合です。

  • ・強風で一部、または全部の棟板金が剥がれてしまった
  • ・スレート材の一部がひび割れしている
  • ・谷板金がサビて穴があいている
  • ・雨仕舞のコーキングが切れている

上記のような場合は、破損のあった場所を部分的に修理することで雨漏りを止めることが可能です。
例えば、棟板金が強風などによって剥がれてしまった場合、新たな棟板金を設置することで、元の機能を取り戻すことが可能です。コーキングの経年劣化などが原因で、雨仕舞から水が侵入している場合は、雨仕舞部分のコーキングを打ち換えると良いでしょう。
なお、屋根材の割れについては、部分的に新たなスレート材に交換することも可能です。スレート材は、素材的に割れや欠けが生じやすい屋根材ですので、こういった部分補修が前提となっています。なお、スレート材の小さな割れや欠け、浮きなどは下から眺めているだけではなかなか気付くことができません。したがって、定期的に専門業者に依頼して屋根の点検を行ってもらうのがオススメです。

②全面的な修理(屋根の再塗装)

上述しているように、スレート屋根は、原料がセメントですので、屋根材自身は防水性を持っていません。そこで、表面に塗装を施すことで耐水性能を持たせているのです。

しかし、この表面塗装に関しても、寿命というものが存在していて、徐々に劣化が進行し、耐水性能が失われてしまいます。したがって、スレート屋根は、7~10年に1度の頻度で再塗装メンテナンスが必要とされているのです。ちなみに、定期的に再塗装メンテナンスを行うことで、屋根に生じる微細なひび割れなどが塗料で充填されますので、雨漏り防止の役割を果たしてくれます。

既に雨漏りが発生している場合でも、屋根材の状態がそこまで悪くない場合は、再塗装工事で対処することも可能です。この場合、屋根材の下地の状態もきちんと確認しておく必要があります。

③全面的な修理(カバー工事)

スレート材の耐用年数は20~30年程度と言われています。雨漏りが発生し、何らかの修理が必要になった時には、スレート材を何年程度使用しているのかも考慮しておくべきです。例えば、既に20年以上使用したスレート材であれば、上述した再塗装で対処した場合、塗料の寿命が来る前に屋根材がダメになり、早期の屋根リフォームが必要になる可能性があります。この場合は、再塗装工事にかけた費用が無駄になってしまう訳です。

したがって、雨漏りなどの修理が必要になった時で、屋根材の状態も比較的悪い、耐用年数が近いという場合には、再塗装工事ではなく、カバー工法による屋根リフォームを行うのがオススメです。カバー工法は、既存屋根はそのままに、上から新たな屋根を葺いていく工事です。カバー工事後の屋根は、二重屋根の状態になるので、雨漏りが止まるだけでなく、屋根の防音性能や断熱性能など、各種機能性も高くなるという効果が得られます。

ただ、カバー工法の場合、「屋根が二重になるので重くなるのでは…」と不安に感じてしまう方もいます。確かに、新たに施工する屋根材の分、屋根は重くなります。しかし、カバー工法の場合、新たに採用される屋根材は、非常に軽量な金属屋根となりますので、二重屋根の状態になったとしても、瓦屋根などよりも軽量で、建物の耐震性には大きな影響を与えません。

④全面的な修理(葺き替え工事)

最後は、屋根の葺き替え工事を行うという選択です。葺き替え工事は、カバー工法とは異なり、屋根下地からすべてをやりかえる工事で、屋根のみは新築のように新しくなります。

スレート屋根の大掛かりな屋根リフォームでは、基本的にカバー工法が採用されます。そもそもカバー工法は、スレート屋根のリフォーム手法として開発されたものですので、当然と言えば当然です。しかし、カバー工法は、どのような屋根でも採用できるわけではなく、いくつかの施工条件が設けられています。例えば、スレート屋根でも、屋根下地までが著しく劣化している場合には、カバー工法によるリフォームを採用することができません。

屋根材だけでなく、防水シートや野地板の劣化まで生じているような屋根であれば、カバー工法ではなく、葺き替え工事によるリフォームが必要と考えてください。葺き替え工事は、既存屋根の撤去工事や廃材の処分にコストがかかることから、カバー工法よりもコストがかかります。しかし、屋根は新築のように新しくなりますので、建物の寿命自体は長くなると考えて構いません。

まとめ

今回は、日本国内の戸建て住宅について、非常に高いシェアを誇るスレート屋根と雨漏りの関係について解説してきました。スレート屋根は、日本古来からの瓦屋根と比較すると、非常に軽量で施工性が高く安価だという特徴を持つことから、新築業界で非常に高い人気を誇っています。最近でこそ、金属屋根素材にトップシェアの座は明け渡していますが、それでも3~4割の住宅は現在でもスレート屋根が採用されています。

なお、今回の記事を見ると、スレート屋根が雨漏りしやすい…と言ったイメージをもってしまった人もいるかもしれませんが、決してそうではありませんよ。当然、必要な再塗装工事などを全く無視し、メンテナンスを長く放置しているといった条件であれば、簡単に雨漏りが発生しますが、メンテナンス不足による雨漏りは、どのタイプの屋根材でも発生します。スレート屋根の良さは、万一雨漏りなどが発生した場合でも、その修理手段が複数あることで、屋根の状態だけでなく、かかるコスト的な負担から最適な対処法を選ぶことができる点でもあります。

現在スレート屋根を採用している住宅で、雨漏りやメンテナンスなどでお悩みの場合、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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