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夏のうちに解消しておきたい「台風で屋根が飛ぶ理由」について。危険な症状と、その対策をご紹介

今回は、7月から8月にかけて、比較的、天気の良い日が続く夏の間に行っておきたい屋根メンテナンスについて解説していきたいと思います。

近年、日本の夏はどんどん猛暑化が進んでいると言われていますし、昼間はエアコンのきいた部屋から一歩も外に出たくない…と考えてしまっている方も多いと思います。しかし、日本の気候を考えてみた時には、夏の終盤から秋にかけては、複数の台風が全国各地に上陸する季節になってしまいます。特に、ここ数年、日本に上陸する台風の大型化が指摘されていて、毎年のように強風や大雨による深刻な被害をもたらすようになっています。

それでは、こういった大きな台風が上陸した時に、出来るだけ住宅に被害が出ないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?実は、夏の終わりごろから増えてくる台風への準備に関しては、夏の間に行っておくことが大切なのです。
そこでここの記事では、夏の間にやっておくべき台風対策をご紹介していきます。

台風で屋根に被害が出る理由

それではまず、台風の強風によって屋根に大きな被害が生じてしまう理由について解説していきましょう。

一般の方からすると、台風は猛烈な強風を伴うし、屋根が飛ばされても仕方ないよな…、運が悪かったのだろ…などと考えてしまうかもしれません。しかし、日本の住宅の屋根というものは、そもそも台風の強風に耐えられるように設計されています。日本は、地形的な問題もあり、毎年必ず複数の台風が上陸する国というのは誰もが理解しています。そのため、屋根材を製造するメーカーさんも、きちんと強風に耐えられるような設計をしており、新築住宅で採用されることが多いスレート屋根については、風速60m/sもの強風試験を耐えている商品があるほどなのです。

それでは、台風の大型化が叫ばれる中、毎年のように屋根が吹き飛ばされる住宅がたくさん存在するのはなぜなのでしょうか?ここでは、台風などの強風によって被害を受けやすい屋根の状態をご紹介しておきます。

棟板金が浮いている

日本の住宅と言えば、昔ながらの瓦屋根をイメージする方が多いかもしれません。しかし、現在の新築業界を考えてみると、瓦屋根のシェア率は年々低下しており、軽量なスレート屋根や金属屋根のシェア率が非常に高くなっています。これは、瓦屋根と比較すると、スレートや金属屋根の重量が非常に軽くなることから、建物の耐震性に好影響を与えるというメリットや、単純に安価だというのが要因です。

そして、新築業界でスレート屋根や金属屋根のシェア率が高まる中、強風によって棟板金が飛ばされてしまう…という被害が増えているのです。棟板金は、屋根の頂上部分に設置される金物で、屋根面が交差する部分に生じる隙間を埋めることや屋根材を固定するという目的があります。この棟板金は、釘やコーキングでしっかりと固定されているのですが、施工から年月が経過すると、固定力が徐々に緩くなってしまい、浮きが生じしまうのです。

棟板金に生じた隙間は、ここから強風が吹きこんでしまうことになるので、台風の際に板金が吹き飛ばされる…という被害が生じてしまう訳です。

屋根に隙間が生じている

二つ目は、屋根に隙間が生じてしまっているという状況です。屋根を下から見ただけでは気づきにくいのですが、万全のように見える屋根でも、経年劣化などを原因としてズレが生じてしまい、隙間ができてしまうことがあります。そして、こういった屋根の隙間に強風が吹き込み、屋根材が飛ばされてしまう…という被害が生じてしまうケースが多いです。
強風による被害については、瓦が捲れている…というケースをよく見かけると思うのですが、実は瓦屋根というのは、絶妙なバランスで屋根材が噛み合うことで固定力を得ています。これが、ズレなどで隙間が生じてしまうと、屋根としての固定力も弱まっていることから、強風によって一気に瓦が飛ばされてしまう…という被害につながるのです。なお、「瓦は重いから飛ばされにくい」と考えてしまっている方もいますが、台風の強風は、大型車を転倒させてしまうほどの力があるわけですので、瓦の重量などあってないようなものですよ。ここでは、屋根に隙間が生じてしまう要因をいくつか挙げておきます。

  • 漆喰の劣化
    瓦屋根の場合、漆喰が劣化することで棟瓦が強風などで崩れてしまうという被害が生じやすいです。
  • 瓦のズレ
    瓦屋根は、一見すると、何の問題もないように見えても、小さなズレが生じているケースがあります。例えば、地震の揺れなどで瓦がズレてしまっている…なんてケースが考えられます。瓦にズレが生じると、隙間ができますので、風の吹き込み口となります。
  • 屋根材の割れ
    瓦屋根、スレート屋根の場合、屋根材の割れに注意しましょう。特にスレート屋根の場合、湿潤・乾燥を繰り返すことで、屋根材にひび割れが生じてしまうことがあります。当然、屋根材の割れは、風の吹き込み口となります。

スレート屋根が反りかえっている

3つ目のポイントは、スレート屋根の経年劣化です。スレート屋根は、表面に塗装が施されているのですが、塗膜の効果が切れてしまうと、屋根材が雨水を吸い込んでしまうようになります。そして、「水を吸い込む⇒乾燥」を繰り返すことで、次第に屋根材の先端部分が反り返ってしまうことになるのです。

当然、屋根材が反り返ってしまうと、その部分に強風が当たり、飛ばされてしまう要因となります。スレート屋根は、瓦屋根と比較すると、台風や地震などの災害に強いと言われているのですが、あくまでも、適切なメンテナンスを行っているということが前提と考えてください。

台風対策は夏の間に行っておくべき

台風の強風によって生じる屋根被害については、上記のような劣化症状が屋根に生じているというのが大きな要因になります。上述しているように、屋根材を製造しているメーカーも、日本は毎年必ず台風が上陸する国ということを理解していますので、耐強風という点についてはしっかりと設計しています。つまり、屋根が万全な状態であれば、「強風で飛ばされてきた物体が衝突する」といったことが無ければ、本来、強風で屋根材が飛ばされる…などという被害は出ないはずなのです。

よって、台風への備えというのは、台風が増加する夏の終わりに向けて、今から行っていくべきと考えておきましょう。ここでは、夏の間に行っておきたい、屋根の台風対策をいくつかご紹介しておきます。

棟板金の固定

スレート屋根と金属屋根のシェア率の高まりに比例して、台風の強風によって棟板金が剥がれてしまう…という被害が急増しています。

棟板金は、屋根の頂上部分に取り付けられているものですので、住人さんが日常的にその状態を確認することが非常に難しいです。また、棟板金の固定が緩み、隙間が生じるといっても、数cm程度の隙間ですので、1階部分から見上げたのでは気付くことすらできないでしょう。そのため、自宅の屋根に問題が生じていることに気付くことが無く、台風シーズンに突入してしまい、棟板金が飛ばされてしまう…という被害が出てしまう訳です。

こういった被害を防止するためには、夏の間に屋根の専門業者に点検をしてもらい、固定が緩んでいるようであれば、しっかりと固定してもらうようにしましょう。新築住宅でも、数年程度経過していて、屋根の点検を一度もしたことが無い…という場合、念のため、屋根の点検は行っておくのがオススメです。

ひび割れなど、破損個所の補修

屋根のひび割れなど、何らかの劣化症状が出ているのであれば、それらの補修をきちんと行っておきましょう。例えば、スレート屋根について、小さな亀裂程度であれば「この程度なら大丈夫だろう」と考えるかもしれませんが、大型化が進む現在の台風では、そういった小さな破損から、屋根材が全て吹き飛ばされてしまう…といった大きな被害につながってしまっています。屋根に生じている亀裂や屋根材のズレ、漆喰の脱落などがある場合、きちんと補修しておくことで、台風による大きな被害を防ぐことができると考えておきましょう。

なお、スレート材が反っている…といった症状がある場合、屋根表面の塗膜の効果が切れている可能性が高いです。上述したように、スレート材の反りは、屋根材が湿潤・乾燥を繰り返すことで起こるものです。そして、塗膜がきちんと効果を発揮できている状態であれば、屋根材自身に水が染み込むと言ったことはないのです。したがって、この場合、屋根塗装など、比較的大掛かり屋根リフォームが必要だと考えてください。

まとめ

今回は、夏の間に行っておきたい屋根の台風対策について解説してきました。近年、日本に上陸する台風の大型化が叫ばれており、毎年非常に甚大な被害を生じさせるようになっています。特に注意しておきたいのは、日本に上陸する台風について、昔とは異なる進路を通過するケースが増えていて、台風による被害などがあまりなかったような地域でも、強風による屋根被害が増えていると言われているのです。

なお、台風による屋根被害と聞くと、想定以上の強風が吹いて、屋根材が飛ばされてしまった…などと考えてしまう方が多いのですが、本来、日本の住宅に採用される屋根材は、風速60m/sもの強風にも耐えられるような設計になっています。ただ、この強度は、あくまでも屋根が万全な状態にあることが前提で、ほとんどの住宅は、屋根の経年劣化で風の吹き込み口ができてしまっていて、そこから大きな被害につながっていると考えられます。

つまり、住宅を台風の強風から守ろうと考えれば、台風シーズンに入る前にきちんと各所の点検を行い、悪くなっている部分があればメンテナンスを行うことが大切なのです。特に、屋根の状態については、一般の方が目で確認しただけでは劣化が生じていることに気付くことがほとんどできません。また、日常生活の中で、屋根に目を向ける機会がほとんどないことから、台風などで大きな被害が出るまで、屋根が劣化していることに気付けていないケースがほとんどなのです。
屋根のメンテナンスを専門業者に依頼する場合、どうしてもコストがかかってしまいますが、台風で大きな被害が出てしまうよりも確実に安くつくはずですので、台風シーズンの前にきちんと屋根の状態を確認しておきましょう。

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