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DIYによる屋根メンテナンスがオススメできない理由をご紹介します!

Youtubeなどの動画配信サイトを利用する方が増えている近年、住宅周りのリフォーム技術を紹介するチャンネルが人気になっていると言われています。こういった動画チャンネルでは、本物の職人さんが、内装リフォームや外装リフォームなど、住宅メンテナンスを行う手順や必要な材料、道具などを紹介してくれる上、施工風景なども動画で見せてくれることから、「これなら自分でもできるのでは?」とDIYに挑戦する方が増える要因の一つになっています。

もちろん、住宅周りのメンテナンスをDIYで出来るようになれば、安価に住宅の状態を維持することができるようになるため、住人さんにとっては非常にありがたい情報になっていると思います。しかし、屋根のメンテナンスや修理に関しては、こういった動画チャンネルの情報を元に、安易に自分でメンテナンスを行ってみようと考えるのはオススメできない…と言うのが屋根修理の専門家の意見です。

こういわれると、「自分たちの利益を考えているからでしょ!」と思ってしまうかもしれませんが、屋根のメンテナンスは皆さんが考えている以上に専門性が高く、DIYで挑戦してみようかな…と考える程度の作業であれば、我々の利益が極端に下がるなんてことはないので、可能なのであればDIYでやっていただければと思います。しかし、屋根のメンテナンスに関しては、皆さんが考えている以上に、危険を伴う作業になり、実際に、DIYなどを目的に屋根の上で作業を行った方が事故に遭ってしまう…と言う事例が後を絶たないのです。

そこでこの記事では、これから屋根のメンテナンスを自分で行ってみようかな…と考えている方に向け、屋根の専門業者が「DIYでの作業をオススメしない」理由をご紹介しておきます。DIYによる作業を行う前に、以下で紹介する内容をしっかりと認識して、本当に挑戦するかどうかを今一度考えてみてください。

皆さんが考えている以上に屋根の上は危険だから

屋根の専門業者として、DIYによる屋根メンテナンスをオススメできない最も大きな理由が、皆さんが考えている以上に屋根の上が危険だからです。ご存知の通り、人は高い場所から転落すれば、怪我をする可能性が非常に高いですし、最悪の場合、命を失ってしまうことがあります。これは誰もが知っている事実だと思うのですが、本当にこれを理解している方は少ないのではないかと思います。

と言うのも、一般の方は、高い場所での作業などは無縁ですし、特に満足な転落防止柵が設けられていない高所での作業など、する機会なんてほとんどないと思います。もちろん、日常生活でベランダや屋上に足を運ぶなんてケースはありますが、そこに必ず転落防止のための柵が設けられていて、普通にしている限り危険を感じるようなことはないはずです。
それでは、毎日のように高所での作業が発生する建設業界について、墜落・転落による事故がどれぐらい発生していると思いますか?以下で年度別に紹介しておきましょう。

画像引用:一般社団法人 全国建設業労災互助会

上図は、平成28年~令和2年までの建設業界における労働災害の件数となります。これからも分かるように、本来高所での作業に慣れているはずの建設業界でも、「墜落・転落」が労働災害の中で最も多いのです。特に注目してほしいのは、年間の死傷事故に関して、「墜落・転落」を原因とするものが、毎年約5000件も発生しているという事実です。建設現場も、特別な突貫工事でもなければ、週休1~2日ですし、雨が降れば作業ができない現場も多いということを鑑みれば、建設現場では、1日に約20人の人が高所から墜落や転落をして負傷しているというデータになっているのです。

この数字に関しては、高所での作業を生業にしていて、足場が不安定な状況にもある程度慣れている職人さんのデータとなります。つまり、高所に慣れている方でも、これほどまでの数の事故が発生していると考えれば、普段は高所などで作業することが無い人がどれほど危険なのかよくわかっていただけるのではないでしょうか?

1階の屋根でも十分に危険

上で紹介したデータをみても「1階の屋根の上ならそこまで高くないし、たいした危険はない!」と考えてしまった方もいるかもしれませんね。しかし、その考えは大間違いです。実際に、平成30年には、高さ約2mの自宅の1階屋根に上り、塗装を行っていた住人が誤って転落して死亡してしまった…と言う事故も発生しています。また、少し状況は異なるのですが、雪国などでは、冬場の雪下ろしを住人自らが行うのですが、雪下ろしの最中に転落し、死亡したという事故のうち、なんと60%は1階部分の屋根からの転落だとされています。このように、「大した高さではない」と考えられがちな1階部分の屋根に関しても、人が死亡してしまう危険がある高さだと考えておかなければいけないのです。

ちなみに、厚生労働省が定めた労働安全衛生規則では、以下のような条文があります。

(作業床の設置等)
第518条 事業者は、高さが2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
2 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
引用:厚生労働省資料より

この条文から分かるように、厚生労働省は「2mの高さは人間にとって危険!」と判断しています。つまり、1階部分の屋根は、皆さんが考えている以上に危険な場所で、慣れていない方がDIYで作業することを決してオススメできないわけです。

他にもオススメできない理由がある!

DIYによる屋根メンテナンスをオススメできない最大の理由が「危険だから」です。屋根は、雨水などを素早く排水するために傾斜がつけられていますので、皆さんが考えている以上に足元が不安定で、屋根の上での作業に慣れている屋根職人でも危険を感じてしまうことも珍しくないのです。したがって、屋根の上に慣れていない一般の方が、そこで不慣れな作業を行うとなると、どれほど危険なのか容易に想像がつくはずです。

更に、DIYによる作業をオススメできない理由は他にも存在します。冒頭でもご紹介しているように、近年、住宅のメンテナンスやプチリフォームのDIYが流行しているのは、Youtubeなどの動画サイトでメンテナンス方法などが紹介されているのが大きいです。動画の中には、必要な材料や道具、作業手順などが詳しく紹介されていることがあるのですが、実は個人が発信している動画などであれば、間違った情報を発信しているケースも珍しくありません。そして、そのような情報を信じてしまい、誤った作業を行うことで、屋根の状態を逆に悪くしてしまうケースがあるのです。

ここでは、皆さんに押さえておいてほしい、DIYによる屋根メンテナンスの注意点をご紹介しておきます。

材料選びが一般の方には難しい

雨漏り防止などを目的として、屋根のメンテナンスを行う場合、シーリング材を使用する機会が多いです。例えば、ビス穴に雨水が侵入しないように埋めたり、ビスの頭に塗って錆を防止するなど、屋根メンテナンスには欠かせない材料となります。

このシーリング材に関しては、動画などで「ホームセンターなどで簡単に手に入る!」と紹介されることが多いです。実際に、ホームセンターに行けば、シーリング材とシーリングガンを手に入れることは可能なのですが、実はシーリング材にも種類があるということを詳細に紹介する動画は少ないのです。シーリング材は、「シリコン系、変成シリコン、ウレタン系、アクリル系」の4種類が存在していて、さらに、1液型と2液型が存在しています。(2液型は撹拌機でかき混ぜてからでないと使用できません。)

このシーリング材に関しては、どれも同じ性能な訳は当然なく、「どこにシーリングを打つのか?」によって最適なシーリング材を選ばなければならないのです。ちなみに、変質シリコンに関しては、どこにでも使用できる万能性があるのですが、シーリングを打つ場所によっては、変質シリコンよりも優れた性能を発揮するものが存在します。

屋根の専門業者がメンテナンスを行う場合、施工場所によって最高の性能を発揮する材料を選んでくれますが、DIYで作業を行うのであれば、自分で調べて最適な材料を用意しなければならなくなります。最適ではない材料を使用すると、本来の耐用年数よりも早くダメになりますし、使い切れなかったシーリング材については使用期限がありますので、使い切れないうちに廃棄することになるケースが多いです。
つまり、DIYによる作業は、業者に依頼するよりも安価だからという点がメリットになるはずなのに、最適な材料を探す時間や、材料を余らせてしまう、間違った場合は想定よりも早くダメになるなど、結局そこまでコストを削減できなくなってしまうのです。時間的、コスト的にも無駄が多くなりますので、正直、最初から専門業者に依頼している方が長期的に見るとコスト安になっているケースが多いです。

間違った施工を行ってしまう

屋根メンテナンスの知識が全くない人であれば、動画サイトで紹介されている手法であれば、全て正しいと考えてしまっているのではないでしょうか?誰でも見ることができる公開の場所で発信されている情報ですし、「間違った情報を流すわけがない!」と意味不明な信頼感を持ってしまっている方は多いです。そして、Youtubeなどで発信されている情報の中には間違ったDIY例も少なくありません。

例えば、台風の大型化が叫ばれている昨今では、毎年のように台風の強風によって屋根材が吹き飛ばされてしまう…と言った被害が生じています。屋根は、小さな不具合が生じているだけでも、屋根材の固定力が弱まってしまいますので、そこに台風の強風が吹き込むことで、一気に屋根材が捲れてしまう…なんてことになるのです。

こういった台風の被害から屋根を守るため、屋根材をシーリング材で固定する対策などが動画で発信されているのをよく見かけます。簡単に言うと、接着剤で屋根材を固定し、風に耐えられるようにするという非常に単純な方法で、これは『ラバーロック工法』などと呼ばれ、瓦屋根などの補強として屋根の専門業者がおススメするケースも多いです。
ただ、屋根材をシーリング材などで固定する際、間違った方法で固定してしまうケースがあるのです。当然、屋根材を固定することだけを考えれば、4辺すべてにシーリングを打つのが最も風に強くなるでしょう。全ての方向をシーリングで埋めてしまえば、風が入る隙間もなくなるので、屋根材が強風で捲れるなんてことはなくなるはずです。しかし、このようなシーリングの打ち方は間違っており、万一、屋根材の全ての辺を塞いでしまった場合、その行為が雨漏りを引き起こしてしまう原因になるのです。

そもそも屋根材と言うものは、屋根に落ちる雨水の一次防水を担っているだけで、全ての雨水を屋根面で防いでいるわけではないのです。雨が降った際には、一定量の水が屋根材の下に侵入するのですが、防水シートを施工していることで、屋根材と防水シートの間を流れ排水できる構造になっているのです。しかし、屋根材の隙間を全て塞いでしまうと、屋根材の下に侵入した水が排水できなくなり、一気に屋根下地が劣化して、雨漏りに繋がってしまう訳です。

このように屋根は複雑な構造をしており、それぞれの部材が適切な役割を担うことで屋根としての機能を発揮できる非常に繊細なものです。そのため、良かれと思って行った間違った施工により、屋根の機能が全く果たせなくなってしまう…なんてことが考えられるのです。一般の方であれば、何が正しくて何が間違っているのか判断できないケースが多いため、少しでも疑問に感じる点があるのであれば、DIYによる作業は絶対にオススメできません。

まとめ

今回は、近年人気になっているDIYについて、屋根メンテナンスに関しては、DIYによる作業がオススメできない理由をご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、屋根メンテナンスのDIYに関しては、以下のような理由があることから、決してオススメできないというのが結論です。

  • ・屋根の上は、熟練の職人でも危険を感じるほどなのに、慣れていない一般の方であれば、命の危険があるから
  • ・材料や道具を用意して、さらに使い方や施工方法をきちんと調べる時間を考えた場合、専門業者に作業を依頼することと比較しても決してコストが安くなるとは思えない
  • ・ちょっとした間違いで、本来屋根が持つ機能を全く発揮できなくなり、逆に屋根を傷めてしまう恐れがあるから

特に、屋根の上は、大した高さはないと考えてしまう方が多いのですが、転落すると、大怪我や人命にかかわる大事故に発展する可能性が非常に高いです。皆さんが想像している以上に危険な場所ですので、屋根メンテナンスは専門業者に任せるのがオススメですよ。

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