屋根修理・雨漏り修理・葺き替えの住まいるドクター関西全域(京都・奈良・大阪・兵庫・和歌山・滋賀対応)
今回は、屋根と強風の関係性についてご紹介していきたいと思います。日本国内に住んでいる方であれば、毎年夏から秋にかけて複数の台風が襲来する国であることから、住宅は強風に強い状態を保っていたいと考えているのではないでしょうか?なお、日本国内では、強風による建物被害が生じてしまうのは、何も台風が増える時期だけではないですよ。例えば、冬から春に季節が移り替わる時には、春一番と呼ばれる強風があるのですが、こういった季節風でも、台風並みの強風となるケースも珍しくなく、毎年屋根修理の依頼が急増してしまいます。
そこで気になるのは、「そもそも強風による屋根被害は、屋根の形状や採用している屋根材で変わってしまうのか?」と言うことではないでしょうか。近年では、日本の伝統的な屋根材である瓦屋根が、自然災害時に被害が出てしまいやすいという話が出回っていることから、他の屋根材に葺き替えしたいという依頼が多くなっています。実は、屋根の耐風性というものは、そもそもの屋根形状や使用している屋根材によって大きく変わってしまうという特徴があるのです。
そこでこの記事では、強風で被害に遭いやすいと考えられる屋根の形状や、現在日本国内で販売されている屋根材の中で、強風に強いと言われる製品はどのようなものがあるのかについてご紹介します。
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それではまず、台風や季節風など、強風による被害を受けやすいと考えられる屋根形状についてご紹介しておきましょう。なお、ここでいう「強風被害を受けやすい」と言うのは、あくまでもメンテナンス不足に陥った場合に被害が出てしまう確率が高くなるという意味で、下で紹介する屋根形状だからといって、必ず台風時に屋根に被害が生じてしまうわけではありません。
あくまでも、強風に注意しておきたいという意味と考えてください。
まずは、『片流れ屋根』と言われる屋根形状です。この屋根形状は、建物自体が洋風建築のようなスタイリッシュ外観になる、屋根の向きによっては太陽光発電の発電効率が非常に良くなるという理由から、近年非常に高い人気を誇っています。
しかし、1方向にしか屋根がないということから、屋根にかかる風圧が他の形状の屋根よりも大きくなり、屋根材が飛ばされてしまう…と言う被害が出やすくなるので注意しましょう。片流れ屋根の建物は、台風が増加する時期の前や、春一番が吹く前などに屋根点検を行うのがオススメです。
日本国内で最もメジャーな形状と言っても良いかもしれませんね。切妻屋根は、2方向に屋根がある形状で、家のイラストを描くときによく採用されている三角屋根の形状です。
この屋根形状は、お互いの屋根面が支えあうことから、片流れ屋根よりも耐風性が高いと考えられています。ただし、軒下からの風に煽られて、屋根が飛ばされてしまう…と言う被害が意外に多いので注意しましょう。台風など、猛烈な強風が吹く時期の前にきちんと点検を受けておくことがオススメです。
あまり耳にしたことがない屋根形状かもしれませんね。この屋根形状は、前後左右4方向に屋根がある形状で、古民家などの伝統的な日本建築に採用されていることが多いです。上記の屋根形状と比較すれば、非常に複雑な形状をしており、重厚感のある外観イメージを作れることがメリットですね。
入母屋屋根は、4方向に屋根が存在するということから、耐風性自体は高いと考えても構いません。しかし、屋根形状が、他の屋根と比較すると非常に複雑で、雨仕舞部分が強風で劣化してしまいやすいという欠点があるのです。強風により板金が歪んでしまう…なんてことになると、そこから雨漏りが始まってしまいます。そして、雨漏りしそうな箇所が多い分、雨漏り原因の特定が非常に難しくなるという点が欠点です。
上記の屋根形状以外でも、「軒の出幅が広い」住宅については、強風による屋根被害の心配があると言えます。
「軒(のき)」や「軒天(のきてん)」などとも呼ばれるのですが、要は屋根でも外壁から外に向かって突き出している場所のことです。この部分は、外壁から外に伸びていることから、雨風が外壁に直接当たらなくなり、外壁の劣化を抑えてくれるという効果を持っています。一般的な戸建住宅であれば、10~90cmの出幅がある家が多いですね。
外壁を守るだけを考えた場合、もっと外につきだせば良いと考えるかもしれませんが、この部分は下から吹き上げる風の影響を非常に受けやすい部分で、あまり外に出過ぎてしまうと、強風による屋根被害が出やすくなってしまうので注意しましょう。
それでは、台風などの強風に強いと言われる屋根材についてもご紹介していきましょう。耐風性と考えると、「重量がある瓦が一番では?」と考えてしまいがちなのですが、大間違いですよ。台風の強風は、大型トラックを横転させてしまうほどのパワーがありますので、瓦の重量など、あってないようなものです。しかも、瓦屋根は、もともと風を含みやすい屋根ですので、特に強風には注意が必要です。
ここでは、筆者が考える、強風被害が出にくい屋根材を2つほどご紹介しておきます。
まずは、アイジー工業が販売している、ガルバリウム鋼板屋根材のスーパーガルテクトです。ガルバリウム鋼板屋根は、非常に軽量な屋根になることから、建物の耐震性能を高めてくれるという点で近年非常に高い人気を誇っています。
そして、アイジー工業のスーパーガルテクトは、さらに台風などの被害にも非常に強い屋根材と言えますので、オススメです。まず、金属屋根素材ですから、強風による飛来物が屋根に衝突したとしても、屋根材が割れてしまう心配がありませんよね。さらに、スーパーガルテクトは、従来のガルバリウム製品と異なり、傷にも強いのです。一般的なガルバリウム鋼板屋根は、表面に傷が入ることで、そこからサビが広がってしまうという欠点があります。しかし、スーパーガルテクトは、傷がついても錆びが発生しにくいよう強化されているので、台風でも傷みにくいと言われているのです。
そもそも金属屋根素材は、屋根材一枚一枚を釘で固定していきますので、並べて噛み合わせるだけの瓦屋根と比較すれば、非常に高い耐風性を持っています。
次は、ケイミュー社が開発した、ハイブリット瓦などと呼ばれる『ROOGA(ルーガ)』です。上述しているように、日本の伝統的な屋根材である瓦は、台風や地震などの自然災害に弱いという欠点を持っています。この欠点から、瓦屋根から金属屋根、もしくはスレート屋根への葺き替えが推奨されているわけですね。しかし、長く瓦屋根の建物に住んでいる方の中には、日本建築特有の外観が壊れてしまうのを嫌い、瓦屋根をどうしても採用したいと考える方がいます。屋根の重量が重くなり耐震性に問題がある、耐風性が低いなどの欠点があっても、建物の外観を維持したいという方は一定数いるのです。
そしてこういった方にお勧めなのがROOGAです。この屋根材は、防災に特化した瓦などとも言われており、従来の瓦屋根の外観イメージを維持したまま、軽量で耐風性の高い屋根を実現することができるのです。さらに、大人の男性がハンマーでたたいても割れないほどの耐久性を持っているなど、災害には非常に強いという特徴を持っています。一般的な瓦屋根とは異なり、釘で屋根材を固定していきますので、耐風性も非常に高いです。
ただし、一般的な屋根材よりも施工が複雑で、副材もメーカー指定の物を使用しなければならないなど、導入コストが少し割高になってしまうのでその点は注意してください。
今回は、台風などの強風に弱いと考えられる屋根形状や自宅の屋根を強風に強くしたいと考える方にお勧めの屋根材をご紹介してきました。日本では、建物の耐震性能については非常に注目度が高く、法律である一定の基準が設けられています。しかし、忘れてはいけないのは、台風や春一番などの季節風でも、建物被害が生じてしまうケースが非常に多いということです。
特に、台風や季節風と言うものは、毎年特定の時期に必ずやってくるものですので、事前の準備をしておくということが非常に重要になるのです。逆に言えば、きちんと強風対策として事前のメンテナンスを行えば、強風によって大きな被害が生じてしまう…なんてことを防ぐことが可能になります。
1月は何かと忙しい時期になりますが、2月頃に強風が吹くことになるので、最近「屋根のメンテナンスをしていないな…」と思う方は、専門業者に点検とメンテナンスを依頼するのがオススメです。