屋根修理・雨漏り修理・葺き替えの住まいるドクター関西全域(京都・奈良・大阪・兵庫・和歌山・滋賀対応)
今回は、台風による強風や季節風による突風などで被害が生じてしまいやすい屋根の状態について解説していきたいと思います。
皆さんは、屋根と風の関係性について、どのような考えを持っているでしょうか?一般的には、多少の強風があったとしても屋根に何らかの被害が出てしまう…なんてことを考える方は少なく、実際に風による被害を受けた時には「突然のことでパニックになってしまう…」という方がほとんどです。
まず、皆さんにおさえておいてほしい事実として「屋根は意外に風による被害を受けやすい」と言ことです。そもそも、屋根は住宅の中で、最も高所に位置するわけですので、風の影響を非常に受けやすい部位と言えます。そして、瓦屋根などに関しては風が吹き込みやすい構造をしていることから、万全な状態でしっかりと固定されていない状態なら、簡単に吹き飛ばされてしまうものなのです。というのも、台風などによる強風というのは、何トンもの重量がある自動車を横転させてしまったり、風を受ける面積が少ない電柱をなぎ倒してしまうパワーを持っています。こういった事を考えると、小さくて細い釘だけで風速何十メートルもの強風に耐えていることの方が疑問に感じるべきことなのではないでしょうか?
なお、少し脅しのような書き方をしていますが、屋根メーカーが行った耐風試験などでは、新築でよく採用されているスレート屋根は、風速60m/sもの猛烈な風でも何の問題もなかったという結果が出ていますので、きちんとメンテナンスをしていさえすれば、台風や季節風なども特に怖がることはありません。しかし、メンテナンスを怠ってしまい、屋根に問題が出ていると、そこを起点として一気に屋根が崩壊してしまう…恐れがあるのです。
そこでこの記事では、台風などの強風で被害が出てしまう屋根の状態をご紹介していきます。
それでは、台風や突風などで被害が生じてしまう可能性がある屋根の状態について代表的なものをご紹介していきましょう。強風による屋根被害と言えば、スレートや金属屋根において、頂上部分に設置されている棟板金が強風で吹き飛ばされてしまう…という症状が非常に多いです。これは、板金の固定が緩んでしまうことで、隙間から風が吹き込むということが大きな要因になります。
ちなみに、強風による屋根被害というと、前述のような板金が飛ばされるというものや、屋根材の一部が風で飛ばされる…ということをイメージしますよね。しかし時には、強風で飛ばされてきた物が窓に衝突し、ガラスが割れて室内に強風が吹き込むことで、建物の屋根がまるごと飛ばされてしまう…なんて被害も報告されているのです。
このように、屋根にとって強風というものは、非常に恐ろしい現象だと考えて、以下のような症状が見られた場合、早急にメンテナンスを行うようにしましょう。
上述したように、強風による屋根被害で最も多いのが棟板金が飛散する…というものです。スレート屋根や金属屋根では、屋根面と屋根面が交差する場所にできる隙間を埋める目的で棟板金が設置されています。棟板金は、屋根の頂上部分に位置しますので、建物の中でも強風の影響が最も大きな場所になりますので、常に万全な状態にあることが望ましいです。
しかし、どのような建物でも経年劣化というものが進みますので、気付かないうちに棟板金が浮いてしまい、屋根面との間に隙間が生じてしまう…ということがあるのです。棟板金は、釘やコーキングで隙間が生じないようにしっかりと固定されるのですが、常に紫外線の影響を受ける場所ですし、数年経過すればその固定が緩んでいってしまいます。したがって、メンテナンス不足に陥っている住宅では、風が吹き込むような隙間ができてしまっており、台風や突風があった時に、隙間から風が吹き込み、一気に飛ばされてしまうのです。
このような被害を防ぐ為には、定期的に屋根の点検を行い、板金部分に浮きなどが生じていないか確認しておきましょう。なお、大阪や東京などの都市部では、3階建ての建物が増えており、点検などもなかなか難しくなっていることでメンテナンス不足に陥ってしまう家が多いです。近年では、ドローンを使用して屋根の点検を行うような業者が登場していますので、そういった業者に依頼すると良いですよ。
瓦屋根は、他の屋根材と比較しても非常に重量があります。そのため「瓦は重いから風で飛ばされるようなことはないだろう」と考えてしまっている方も多いのではないでしょうか?しかし、この考えは大きな間違いですので、注意しましょう。冒頭でご紹介したように、台風による強風などは、大木を倒したり、トラックを横転させるようなパワーを持っています。つまり、このようなパワーを持っている強風からすれば、瓦の重量などあってないような物なのです。
実際に、近年大型化が進んでいると言われている台風の被害については、そのほとんどが瓦屋根で発生していると言われており、テレビのニュースなどを見ても、屋根材に被害が生じているのは瓦屋根ばかりと言ったイメージがあると思います。これは、瓦屋根が特に風に弱いということが原因ではありませんが、多くの瓦屋根に被害が生じてしまっているのは事実です。
実は、昔ながらの瓦屋根は、屋根材が噛み合わさることによって固定力を得ているのですが、少しずれているだけでも、その固定力が緩んでしまうのです。そして、一般の方では瓦にズレが生じている、歪んでいるということが目視で判断できないため、「既に問題が生じている…」状態で強風を受け、一気に被害が拡大してしまっているわけです。瓦屋根はもともと風を含みやすい構造ですので、固定力が緩んだところに、強風が吹きこんで屋根材が飛ばされてしまう…という被害が生じてしまっているわけです。
こういった事を防ぐ為には、専門業者に定期的に点検をしてもらい、屋根のズレや歪みが生じていないか確認してもらうと良いでしょう。また、築年数が経過している建物であれば、思い切ってスレートや金属屋根に葺き替えすることもオススメです。瓦屋根からスレートや金属屋根への葺き替えは、耐風性が高くなるだけでなく、屋根が軽量になることで耐震性の向上も見込めます。
新築業界でスレート屋根の採用率が高くなった現在では、この理由で屋根に被害が生じてしまうことが多くなっています。上述したように、スレート屋根は、万全な状態の場合、風速60m/sの風にもびくともしないような強度を持っています。しかし、あくまでもこの強度は、メンテナンスが行き届いていて、万全な状態を維持している屋根に言えることなのです。
スレート屋根は、屋根材自身が防水性を持っておらず、表面に施されている塗装によって各種機能を得ています。そして、この塗装に関しても耐用年数というものがあり、適切なメンテナンスを怠ってしまうと、屋根材の撥水性がなくなってしまい、湿潤と乾燥を繰り返すことで、徐々に四隅が反り返ってきてしまう訳です。そのような状態になった時に、台風による強風を受けると、一気に屋根材が吹き飛ばされてしまう…という被害に繋がってしまう訳です。
このような被害を防ぐ方法は非常に単純で、適切なタイミングで塗装を行うなど、屋根のメンテナンスをしっかりと行っていくということに限ります。塗装メンテナンスを適切に行っていれば、屋根材が反りかえるなんて状態になることがありませんし、強風で飛ばされるリスクも非常に小さくなります。
今回は、台風や季節的な突風で大きな被害が生じてしまいやすい屋根の状態についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、普段は目もむけないような小さな屋根の劣化の放置が、強風によっていきなり大きな被害に繋がってしまうということが非常に多いです。
そもそも屋根は、建物の中でも高所となるわけですので、強風に耐えられるようにということを考えた構造になっています。したがって、適切なメンテナンスさえ行っていれば、本来は強風によって屋根材が飛ばされてしまう…なんて被害が出るようなことはないはずなのです。しかし、定期的なメンテナンスにはコストがかかってしまうということもあり、多くの場合、放置されてしまうのです。
屋根塗装に関しても、「雨漏りなどしていないしまだ大丈夫か!」と先延ばしにされることが多いのですが、この行為が雨漏り被害どころではない屋根の崩壊につながるかもしれない…と考えておきましょう。