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近年の新築業界では、屋根面が平らになっている陸屋根と呼ばれる屋根形状が人気になっています。屋根と聞けば、切妻屋根などのように傾斜が設けられている形状をイメージする方が多いのですが、都市部などでは狭い敷地に新築住宅を建てるようになっており、庭の代わりとして屋上利用ができるようになる陸屋根の人気が高くなっているわけです。
陸屋根であれば、屋根が平面になっていることから、洗濯物を干すスペースとしたり、お子様を安全に遊ばせるスペースに活用することが出来ますので、土地価格の問題などで『庭付き一戸建て』が難しい都会では非常に高い人気を誇っています。特に、新型コロナウイルス問題があってからは、自宅内で家族がくつろげるスペースを求める方が増えており、屋上が有効活用できる陸屋根は、感染症対策の面からも、有効だと思われているのでしょう。
ただし、屋根が平らになっているということは、建物に降り注いだ雨水の排水に時間がかかるという意味で、長時間水の影響を受けてしまうことで雨漏りのリスクが高くなってしまうというデメリットが存在します。実際に、陸屋根は他の屋根と比較しても雨漏りリスクが高い点がデメリットと説明されることが多く、陸屋根を採用する方は、普段から雨漏り対策に十分な注意を払わなければいけないのです。
そこでこの記事では、陸屋根の代表的な雨漏り箇所をご紹介していきますので、これから陸屋根を採用した家の購入をご検討中の方はぜひ頭に入れておきましょう!
陸屋根の特徴は、他の屋根とは異なり、屋根面が平らになっていることです。病院や学校の屋上をイメージしていただければわかりやすいですが、陸屋根を採用した住宅であれば、屋上に洗濯物を干したり、屋上バーベキューを楽しんだり、簡易的なドッグランとして利用したりと、本来はデッドスペースとなってしまう屋根スペースを有効活用できるようになるのです。
ただし、他の屋根にはない活用方法がある一方、雨漏りリスクが高くなるという点は非常に大きなデメリットになってしまいます。ここでは、陸屋根で発生する雨漏りの主な原因をご紹介しておきますので、日常生活の中で適切な対処ができるようメンテナンスなどの参考にしてみてください。
陸屋根は、防水工事が施されており、防水層があることで雨漏りを防いでいます。防水工事は、ウレタン防水では塗り重ねたウレタン樹脂の層が防水層になり、FRP防水ならガラス樹脂や塗布されたポリエステル樹脂素材が防水層となり、雨漏りから家を守っています。
しかし、他の塗装などと同じく、経年劣化や外的要因によって、防水層が劣化してしまい、雨水などが侵入するようになってしまうのです。外的要因については、屋上で何らかの作業をしている時に、硬いもので防水層を削ってしまう…、飛来物が衝突して破損してしまう…などと言った事が考えられます。他にも、常に紫外線などの影響を受け続ける場所となりますので、そういった自然現象により徐々に劣化を進行させてしまうことになります。
以下に、「防水層が劣化している…」と判断すべき症状を上げておきますので、雨漏りが発生する前にメンテナンスができるよう、日常生活の中で注目するようにしましょう。
陸屋根は、一見フラットに見えますが、わずかな勾配が設けられており、排水口へ水を促しています。屋根に落ちた水が長時間排水されずに残ってしまっていると、防水層の劣化が早くなり、雨漏りの危険が高くなってしまいます。したがって、陸屋根には排水口が設置され、そこに向けて、適切な勾配がとられているのです。
しかし、陸屋根は、屋外に位置していますので、落ち葉やゴミ、鳥の糞や羽根などが屋根に落ちて、それらが排水口を詰まらせてしまう恐れがあります。排水口が詰まってしまうと、適切な排水ができなくなってしまい、雨漏りに繋がってしまう訳です。なお、排水口周辺は、水の影響を受けやすい場所になるので、防水層の劣化も早くなります。定期的に排水口の掃除や、防水処理の劣化を確認しておきましょう。
パラペットは、陸屋根の外周を囲む立ち上がりの部分で、転落防止の為などに取り付けられていると考えて下さい。なお、パラペットは、胸壁や扶壁(ふへき)、手すりなどの役割があることから手すり壁などとも呼ばれます。
そして笠木については、このパラペットの頂上部分に取り付けられる部材のことで、パラペットに蓋をすることで、建物躯体内部に水や異物が侵入するのを防ぐという目的を持っています。パラペットの蓋の役割を持つことから、パラペットキャップなどと呼ばれることもあります。
このパラペット部分は、経年劣化で笠木が浮いてしまうようになり、台風などの横殴りの雨が降った時には、パラペットと笠木の隙間から躯体内部に水が侵入してしまうことになり、雨漏りが発生してしまうのです。なお、この原因は、ベランダ部分の雨漏り原因にも多いので、定期的に笠木が浮いてガタガタしないか確認しておきましょう。ここから水が侵入してしまうと、躯体の湿度が高くなり、シロアリが繁殖してしまう恐れがあります。
パラペットは、外壁からの立ち上がり部分で陸屋根とは使われている部材が異なることから、どうしてもつなぎ目が生じてしまいます。こういった建物に生じるつなぎ目に関しては、金具やコーキングなどでしっかりと密着させているのですが、経年劣化によって徐々に隙間が生じてしまい、水の侵入口になってしまうのです。
パラペットと防水層のつなぎ目に隙間が生じてしまうと、簡単に水が浸入するようになりますので、雨漏りの危険が非常に高くなります。定期的に、笠木や防水層との継ぎ目に隙間が生じていないか確認しておくようにしましょう。
今回は、新型コロナウイルスの影響で、さらに人気が高くなっていると言われる陸屋根の雨漏り原因についてご紹介してきました。陸屋根は、他の屋根では傾斜があるためデッドスペースとなる部分を、有効活用することができるようになります。したがって、庭付き一戸建ての建築が難しい、大阪や東京などの都市部の新築業界では非常に高い人気を誇っています。
ただし、屋根の上を毎日のように人が使用することになるわけですから、他の屋根形状と比較すれば、劣化も早くなってしまいます。さらに、傾斜がかなり緩いことから、雨の日には水が長時間残ってしまうことになり、屋根面に施工されている防水層の劣化も意外に早く進行してしまいます。
陸屋根は、本来使用できなかったスペースを有効活用することができるようになるのですが、雨漏り防止をしっかりとしておかないと、家の寿命そのものが縮んでしまうと考えておきましょう。