屋根修理・雨漏り修理・葺き替えの住まいるドクター関西全域(京都・奈良・大阪・兵庫・和歌山・滋賀対応)
どのような建物でも、人間の体と一緒で、悪いところを早期発見し、適切にケアしてあげることが非常に重要になります。必要なタイミングで適切なケアができていれば、雨漏りなどの大事に至ることを防げますし、維持やメンテナンスにコストはかかるものの、中長期的に見ると、家のメンテナンスコストは安くつくものです。
近年では、新築業界で採用される屋根材として、スレート屋根やガルバリウム鋼板製の金属屋根のシェアがどんどん高くなっています。これは、昔ながらの瓦屋根を採用すると、屋根全体の重量が重くなってしまい、建物の耐震性能に悪影響を与える…という点が弱点とみなされているからですね。しかし、日本の伝統である瓦屋根は、独特な外観イメージを実現してくれますし、他の屋根材と比較した場合に、非常に耐久力が高いというイメージから、維持・メンテナンスに関しては、瓦屋根が最も手間とお金がかからないと考えて、現在でも瓦を採用する人は少なくありません。
それでは、こういった瓦屋根のイメージというものは正しいものなのでしょうか?結論から言っておきますが、瓦屋根が非常に高い耐久力を持つということは間違いありませんが、メンテナンスの手間がかからないという考えは間違いです。実際に、大規模地震や大型台風の襲来があった時には、他の屋根材と比べると、瓦屋根に被害が集中してしまう傾向が強く、これは普段のメンテナンス不足が原因となっているのです。実は、瓦屋根というものは、『瓦』という屋根材については非常に強いものの、施工方法などまで含めた『瓦屋根』になると、そこまで強度の高いものではないと考えてください。
この記事では、瓦屋根を採用している建物について、適切なタイミングでケアできるようにするため、普段からチェックしておきたいポイントをご紹介します。
瓦屋根を採用している方によくある勘違いで「瓦屋根は半永久的にもつからメンテナンス不用!」という考えがあります。確かに、屋根材である『瓦』に関しては、100年以上もの間、何の問題もなく使用できるようなものもあるなど、木造住宅の寿命を考えると、屋根材がダメになる前に家そのものの寿命が来てしまう…と言った感じになることもあります。
しかし、あくまでもこれは『瓦』単体に言えることで、『瓦屋根』という屋根全体に言えることではないのです。たとえば、地震や台風が非常に多い日本では、地震の揺れや台風の強風などによって屋根材である瓦がズレてしまう…なんてことも珍しくありません。この場合、瓦そのものに何のダメージが無くても、屋根に隙間ができてしまうため、雨水などを防げなくなってしまいます。つまり、雨漏りなどの家全体の問題を防ごうと思えば、こういった劣化を早期に見つけてあげ、適切なケアをしてあげる必要があるのです。
ただし、屋根の上は高所になりますので、なかなか自分で確認することは難しいものです。もし自宅の近くにお住まいよりも高い場所があるのであれば、そこから屋根を俯瞰してみるという方法はオススメです。双眼鏡などを持っていれば、細かな部分まで確認できますし、少し離れたところから屋根全体を確認することで、屋根の歪みなどにも気づくことができるはずです。
ただし、そういった高い場所がない場合、自分で梯子などを使い屋根の上に上がるのはオススメできません。瓦屋根の上は、足元が非常に不安定ですし、滑りやすいという特徴があるため、転倒して転落事故が発生してしまう恐れがあります。さらに、足の置き場を間違ってしまうと、自ら屋根を破損させてしまう危険がありますので、少しでも不安があれば専門業者に点検を依頼するようにしましょう。なお、定期的に確認しておきたい瓦屋根の劣化症状は、以下のようなものです。
棟は、屋根の面と面が重なる頂上部分のことを指しており、そこに施工される瓦が棟瓦と呼ばれます。そして、この棟瓦は、歪みがなく真っすぐかどうかが非常に重要で、自分で屋根の確認ができる時には、歪んで蛇行していないか、棟瓦の一部が外れかけていないかなどを確認しておきましょう。
少しでも歪んで見える場合は注意が必要です。棟瓦の歪みは、その他の屋根材の固定力が緩んでいるという証拠ですし、その状態で台風や地震が来ると、屋根材が崩落してしまう恐れがあります。また歪みが徐々に大きくなり、雨水などが侵入するようになりますので、雨漏りの心配もあります。棟瓦の歪みを発見した場合は、すぐに専門業者に連絡してください。
冒頭でご紹介しているように、瓦は他の屋根材と比較すれば、非常に高い耐久力を誇っており、半永久的に使うことができると考えている方が多いです。そして、瓦が他の屋根材よりも高い耐久力を持つというのは事実です。
しかし、「瓦は何があっても絶対に傷つくようなことはない!」かというとそうではないのです。瓦は、土を焼き固めて作ったものが主流ですし、要は陶器のような物ですので、耐久力以上の衝撃が加われば普通に割れてしまいます。例えば、台風などの強風で硬いものが飛ばされてきて衝突した、屋根のアンテナが倒れてきたなど、大きな衝撃が加われば割れてしまうことがあります。他には、沿岸地域などでは、塩害によって瓦がボロボロになる…なんてことも考えられるので、「絶対に割れない」とは考えないで下さい。
瓦に割れや欠けが生じると、そこから雨水などが侵入し、雨漏りのリスクが高くなります。
台風の強風などでは、瓦屋根が集中的に被害を受ける…ということが多いですよね。これは、他の屋根材と異なり、瓦同士を噛み合わせることで固定力を得ているという特徴があるからです。スレートにしても金属屋根にしても、釘で固定していますので、強風などの影響を受けにくくなります。
瓦は、強風の影響や地震の揺れなどによって瓦が動いてしまい、ズレて固定力が緩んでしまうことが多いです。なお、防災瓦やハイブリット瓦などと言われる『ROOGA』などに関しては、瓦ですが釘で固定します。築年数が経過した、伝統的な土葺き屋根の場合は、ズレや外れの心配があるので、小まめに確認しておきましょう。
瓦屋根を採用していれば、棟瓦部分などに白い詰め物がされているのが分かると思います。これが漆喰です。漆喰は、瓦の固定力を得る目的や、隙間を埋める目的で施工されています。つまり、漆喰が剥がれたり崩れたりすると、その部分に隙間ができるという意味ですので、雨水などの侵入口になってしまいます。
さらに、屋根材の固定力が弱まってしまうことから、ちょっとした強風などで屋根材にずれが生じてしまう…なんてリスクも生じます。一般的に、約10年程度で漆喰の塗り替えが必要と言われていますので、定期的に漆喰の状態を確認しておきましょう。屋根に白い粉のような物が落ちている、ひび割れが生じているなどという場合、崩れてしまう前兆ですので、やり替えを検討しましょう。
今回は、瓦屋根を採用している方のため、普段からチェックしておきたい瓦屋根の劣化症状についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、瓦が非常に高い耐久力を持つことから、瓦屋根はメンテナンスフリーなのだ…と勘違いしてしまっている方が非常に多くみられます。実際に、メンテナンス不足に陥っている瓦屋根が非常に多いことから、毎年台風や地震で、瓦屋根に被害が集中するようなっています。
皆さんに覚えておいてほしいことは、『瓦』が高い耐久力を持つことは間違いないものの、瓦屋根全体で考えると、他の屋根材よりも自然災害に対しては弱くなってしまう可能性が高いということです。実際に、屋根重量が重くなれば、建物の重心が高くなり、地震による被害リスクがかなり高くなってしまうことから、屋根の軽量化を実現する葺き替え工事などには、国や自治体から助成金が出るような状態です。
なお、瓦屋根を採用している方は、日本建築特有の外観イメージにこだわっているという方が多く、スレートや金属屋根のすっきりした外観が気に入らないため、災害の弱点になると理解しつつ、瓦屋根のまま…という方も多いです。この部分に関しては、近年ケイミュー社などが軽量で災害にも強い瓦を販売し始めていますので、そういったものに葺き替えすることを検討してはいかがでしょう。ケイミュー社の『ROOGA』は、伝統的な瓦の見た目をそのままに、非常に軽量で衝撃にも強いという、日本の気候に最適な屋根材に仕上がっていますよ。現在、瓦屋根からの葺き替えをご検討中なら、お気軽に弊社までお問い合わせください。