屋根修理・雨漏り修理・葺き替えの住まいるドクター関西全域(京都・奈良・大阪・兵庫・和歌山・滋賀対応)
今回は、住宅にとって非常に重要な部位であるはずなのに、そのメンテナンスが見落とされがちな雨樋についてご紹介していきます。
ほとんどの住宅には、新築時点から雨樋が取り付けられていますよね。雨樋は、住宅に降り注いだ雨水などを適切に建物外に排水するために取り付けられているのですが、雨樋の上がどのような状態になっているのかが日常生活の中では確認することが難しいこともあり、定期的なメンテナンスなどが放置されがちです。実際に、大雨が降った時には、雨樋の途中から水漏れがあったり、継手部分が完全に外れているような状態なのに、そのまま放置されている…なんて家も珍しくないのが実情です。これは、少々雨樋が劣化していたとしても、雨漏り被害などには直接関係がない…と考えてしまい、修理費用を嫌ってメンテナンスを放置しているのだと思います。
最初に言っておきますが、雨樋というものは、住宅にとって非常に重要な役割を持っており、定期的なメンテナンスを怠ってしまうと、建物自体の寿命を縮めてしまう恐れもあると考えましょう。逆に言えば、きちんとお手入れを行っておくことで、建物自体を長持ちさせることも可能な部位なのです。
そこでこの記事では、雨樋によくある不具合事例やメンテナンスを行う場合にかかる費用をご紹介していきます。
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住宅の屋根の端に取り付けられている雨樋は、屋根に降り注いだ雨水を集水し、下水や地上へ適切に排水するために取り付けられています。木造住宅が多い日本では、雨水は家の天敵と考えるべきもので、速やかに雨水を排水できる設備がなければ、住宅内に侵入してしまい、建物のあらゆる場所の腐食を招いてしまう原因となるのです。
また、雨樋が取り付けられていない住宅では、屋根に落ちた雨水が外壁を伝って地面に流れていくことになり、外壁の劣化も早めてしまう結果になります。もちろん、外壁が長時間高湿状態になりますので、カビやコケが繁殖してしまい、建物の外観も大きく損なってしまうことでしょう。さらに、屋根から直接地面に雨水が落ちれば、徐々に住宅周辺の基礎を掘り返してしまい、建物の基礎自体も老朽化しやすくなるのです。雨樋の役割など、日常生活の中ではほとんど気にすることがないかもしれませんが、このような建物の劣化を防ぎ、適切に雨水を排水してくれている非常に重要な役割を持った部位だと覚えておきましょう。
これからも分かるように、雨樋のメンテナンスを怠ってしまい、本来の機能を発揮できないような状態のまま放置してしまうと、雨樋が取り付けられていないのと同じような状況になってしまうことから、建物の寿命を縮めてしまう結果になります。つまり、雨樋を定期的に点検し、必要なメンテナンスを早め早めに行うということは、建物自体を長持ちさせる結果にもつながるわけです。
雨樋の劣化を放置してしまうと、他の箇所にまで悪影響を及ぼすことになりますので、気付いたときには、雨樋だけでなく外壁の全面改修が必要になる…など、建物のメンテナンスに莫大なコストがかかってしまう結果が待っているかもしれません。
それでは、雨樋の不具合としてよく見られる状況をご紹介していきましょう。以下でご紹介するような状況になっていれば、できるだけ早く専門業者に修理を依頼しましょう。
雨樋の不具合としてよくあるのが、雨樋の上にゴミが貯まってしまい、排水不良を引き起こしている…と言ったものです。例えば、家の庭に雨樋よりも高い樹木がある、家が山に面している…という場合、定期的に雨樋の清掃をしなければ、雨樋上に落ち葉が溜まってしまい、排水不良を引き起こしてしまう場合があります。
特に注意が必要なのは、雨水を下方向に流す「竪樋」や竪樋に水を流すための「集水器」と呼ばれる部分です。この部分は縦に円筒状になっていることから、ゴミが詰まりやすく、この部分から水があふれている雨樋はよく見かけます。
雨樋は、定期的にゴミなどが溜まっていないか目視で確認しましょう。そして、雨樋上にゴミが溜まっている…、水があふれているなどの異変がある場合は、できるだけ早く専門業者に相談しましょう。
既に耐用年数を超えているのでは…と思えるようなボロボロの雨樋を使用し続けている家も多いです。一般的に、雨戸の耐用年数は20年程度で、長くても25年程度と考えてください。したがって、これ以上経過している雨樋は、強度が低下してしまっており、穴が開いたり、継手部分が外れたりして、建物に水がかかってしまっている…なんてことが多いです。
経年劣化で「寿命だな…」と感じる場合は、新しいものに交換しましょう。
雨樋の破損原因として多いのが、台風による強風で煽られてしまう…、屋根に降り積もった雪がずり落ちる時に雨樋を破損させてしまう…というものです。この場合、雨樋の一部が外れてしまいぶら下がっている…なんてわかりやすい被害が出れば良いのですが、傾斜が微妙にずれて排水が上手くいかなくなっているなど、一般の方では気づきにくい不具合が生じることも多いです。
目に見える被害があれば、すぐに専門業者に連絡して修理してもらいましょう。目に見える被害が生じていない場合でも、台風の後などは、傾斜にズレが生じていないかなど、プロに点検してもらうのがオススメです。
雨樋は、集水器に水が流れていくよう、絶妙な計算の傾斜がつけられています。そして、この雨樋の傾斜は、支持金具によって決められているのですが、強風や経年劣化で支持金具がズレてしまうことで、傾斜がズレてしまうのです。また、最悪の場合、支持金具が外れてしまう…ということもありますので、たまに家の周りをまわってみて、雨樋の支持金具に不具合が生じていないか確認しておきましょう。
雨樋は、何本かの部材を繋げていくものがほとんどです。そして、継手と呼ばれる部材で軒樋をつなげているのですが、接着不良や経年劣化などで部分的に外れてしまったり、隙間が生じて水漏れしたりすることがあります。
1箇所や2箇所が外れている…という程度であれば、ホームセンターなどで接着剤やコーキングを購入し、自分で修理することも可能です。しかし、20年近く使用している雨樋であれば「そろそろ寿命」と考えて、新しいものに交換するのがオススメです。
それでは最後に、雨樋のメンテナンスにかかるコストについて簡単にご紹介しておきましょう。雨樋の修理やメンテナンスに関しては、作業内容が非常に多岐にわたるため、何を行うのかによって費用が全く異なります。最も安い修理であれば、1万円前後で依頼することができるでしょうし、雨樋を全交換するという場合は、60万円前後かかる場合も珍しくありません。
なお、雨樋の修理やメンテナンスに関しては、修理は1箇所単位、本体の交換は1m単位で計算されます。以下に、よくある雨樋のメンテナンスを依頼する場合の費用相場をご紹介しておきます。
上記の費用は、あくまでも目安です。雨樋の全交換の場合でも、建物の大きさや新たに採用する雨樋の種類などによって必要なコストが大きく変わります。詳細は、お近くの屋根業者などに相談してみると良いでしょう。
今回は、ほとんどすべての住宅に取り付けられている雨樋のメンテナンスについて解説してきました。この記事でご紹介したように、雨樋は、建物に降り注いだ雨水を適切に排水するという非常に重要な役割を持っているのですが、建物の中では非常に地味な存在であるため、そのメンテナンスを放置されてしまうことが非常に多くみられます。実際に、雨樋から水漏れが起きているのに、そのまま放置してしまっている住宅というのもよく見かけますよね。
しかし、木造住宅が多い日本では、このような雨樋の不具合の放置は、最終的に建物の寿命すら縮めてしまうなど、非常に恐ろしい未来が待っているかもしれないと考えなければいけません。木造住宅にとって、水は天敵と言っても良いもので、シロアリやカビの繁殖を招いてしまい、雨樋の修理どころの話ではなくなってしまう恐れがあると覚えておきましょう!