屋根修理・雨漏り修理・葺き替えの住まいるドクター関西全域(京都・奈良・大阪・兵庫・和歌山・滋賀対応)
今回は、住宅の屋根重量と地震の関係について簡単にご紹介したいと思います。皆さんもご存知の通り、日本は諸外国と比較しても地震が非常に多い国として知られており、小さな地震を含めれば毎日どこかしらで地震が発生しているといっても良い国です。したがって、ご家族の安全を考えた場合、出来るだけ地震に強い住宅はどのようなものなのかという知識は持っておいた方が良いでしょう。
そこでキーワードとなるのが「軽量な屋根ほど地震に強い」ということです。例えば、ここ数年の間で屋根の葺き替え工事をした人であれば、新しい屋根材を選択するときに「軽量な屋根材を選んだ方が耐震性が高くなりますよ!」などと屋根屋さんに説明を受けた人もいるかもしれません。「屋根の重量がなぜ耐震性に?」と疑問に思う人がいるかもしれませんが、実は屋根は住宅の耐震性能にも大きな影響を与える部位であり、屋根の軽量化リフォームなどを行う場合には、国や地方自治体の耐震工事関連の補助金を利用することもできるほど重要な部分だと考えられているのです。
そこで今回は、屋根の重量と地震の関係や、さまざまある屋根材が実際にどの程度、重量の違いがあるのかについてご紹介していきたいと思います。
屋根重量が建物の耐震性能に関係する…と聞いて、気になるのは「各屋根材の重量ってどんなものなのか?」ということでしょう。そこでまず、さまざまある屋根材について、それぞれの平均的な屋根重量をご紹介しておきましょう。日本国内では、古くから『和瓦』が採用された瓦屋根が主流となっているのですが、近年では、カラーベストやコロニアルなどと呼ばれるスレート屋根や、ガルバリウム鋼板製の金属屋根素材が増加しています。これは、瓦が素材的な特徴で、他の屋根材よりも非常に重量があるということが嫌われているためで、屋根リフォームの際に瓦屋根からスレートや金属屋根に葺き替えする方が増えているためです。特に新築業界などで考えれば、スレート屋根のシェアがどんどん伸びていると言われています。以下に、現在主流となっている屋根材ごとの重量をご紹介しておきますので、ぜひ参考にしてください。
上記のように、屋根材によって重量は大きく異なり、日本で古くから利用されている『瓦』は、他の屋根材と比較して飛びぬけて重いのがよくわかります。最も軽量な金属屋根と瓦を比較してみると、その重量は10倍近くにもなるのです。ちなみに、建築基準法でも「軽い屋根」「重い屋根」「非常に重い屋根」と3種類の屋根に分類され、この分類は耐震性能を調べるための基準として非常に重要な指標にもなっています。上で紹介した屋根材では、『コロニアル、金属屋根、ルーガ』が軽い屋根に分類されています。
屋根材ごとの大まかな重量の違いは分かっていただけましたね。それではここからは、住宅の屋根重量と耐震性能の関係性についてご紹介していきましょう。冒頭でご紹介したように、近年では屋根はできるだけ軽量な方が良いと言われているため、葺き替え工事の際には「軽い屋根材を選ぶのが良いですよ」と施工業者に説明されることが多いです。しかし、インターネットなどで少し調べてみると、「屋根は軽量な方が地震に強い!」と「屋根の重量は耐震性に関係がない!」という真逆の意見が出てくることもあり、「いったいどっちなのだ…?」と疑問に思う人も少なくないようです。
答えから言ってしまいますが、『屋根の重量によって建物の耐震性は大きく変わり、軽量になるほど耐震性能が高くなる!』です。これは、学術的にも解明されており、「屋根の重量と耐震性は関係がない」という意見は無視しても良いと思います。なぜこのような意見が出ているのかというと、日本では古くから瓦が採用されており、現在でも瓦屋根の住宅がまだまだ多く、瓦メーカーや瓦屋根を専門とした施工業者も多いのです。したがって、『瓦=重い=地震に不利』という屋根材に対するネガティブな情報を払拭したいと考えて、上述したような屋根重量と耐震性は関係がないという情報を発信している方がいるのだと思います。
確かに、近年では、屋根の軽量化で耐震性能が上がると言うことから、『瓦屋根だから地震に弱くなる…』と表現する方もいるのですが、これは間違いです。瓦を採用した住宅では、きちんとその重量を計算して建物の構造を作りますので、現在の耐震基準に適応した設計になっていれば、瓦を採用しているからと言って地震に弱くなるわけではないのです。屋根の軽量化は、あくまでも「より耐震性能を高くする!」ということが目的となっており、「重いより軽い方が良い」という単純な比較論だということも覚えておいてください。瓦には瓦にしかないメリットがたくさんあるのです。
それでは最後に、屋根の軽量化によって住宅の耐震性能が高くなる理由についてもご紹介しておきましょう。上の動画は、屋根材のトップメーカーケイミュー社が、屋根の重量の違いによる建物の揺れについて実験をした動画となっており、重量の違いによる耐震性能の違いがよくわかりますので、ぜひご覧ください。動画を見ればわかりますが、屋根の重量が重くなるほど、建物が大きく横に揺られています。
詳細については、建物の構造耐力に関する「構造力学」について学ばなければいけないので、ここではそこまで難しい話は飛ばします。要は、『屋根の重量が重くなると、建物全体の重心が高くなってしまうため、横揺れの力が加わると、より大きく横に振られるようになる!』程度で覚えておきましょう。
今回は、近年屋根リフォーム業界のキーワードとなっている『屋根の軽量化』について、屋根重量と建物の耐震性能の関係についてご紹介しました。本稿でご紹介したように、さまざまある屋根材は、それぞれ重量がかなり違っており、同じ構造の建物であれば、屋根の重量が軽ければ軽いほど、住宅の耐震性能が高くなると言われています。したがって、ここ数年の屋根リフォーム業界では、重量のある和瓦は敬遠される傾向にあり、金属屋根やコロニアルなどのスレート屋根へ葺き替えする方が増加しているのです。実際に、大規模地震が発生した際のニュース映像などを見てみると、金属屋根やスレート屋根には全く被害がないのに、和瓦を採用した屋根では大きな屋根被害が出ている…なんてことも少なくありません。もちろん、和瓦を採用していれば、地震の際に必ず大きな被害が出るわけではありませんが、築年数が経過して現在の耐震基準を満たしていない建物であれば注意が必要でしょう。
現在、住宅の耐震性能を考えて、屋根の軽量化工事をお考えであれば、お気軽の弊社までおと言わせください。住まいるドクターでは、経験豊富な屋根職人が住宅に最適な屋根材のご提案から行っています。